【11月イベントに当たって】私たちの問題意識、世の中へ伝えたいこと。

kenpou-cafe2007-11-23

今回のイベントでは、色んな人で話し合い、一人ひとりが協力しながら作り上げていくプロセスそのものを大事にしようとなっています。9月22日、東京・中野のカフェでその一回目をやりました。この時の話し合いがイベントの基礎になっていますので、告知に続けて掲載します。
10月・11月のミーティングも参加歓迎です、興味のある方はkenpo.cafe@gmail.comまでご連絡下さい。

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雨宮処凛さん×堤未果さん イベントMTG
9月22日(土)18時半〜22時 場所:ルノアール中野北口店会議室
参加者:11人

1.本を読んだ感想をシェア

・堤さんの本、イラク戦争の本、軍のリクルート 帰還兵のPTSD・ホームレス問題→経済格差、自己尊重、信頼、資源、戦争にうまい具合に動員されている、見えない徴兵制。

・日本では格差論がバブリーな状態。ある種盛り上がっている。雨宮さんは着目されていて、軽やかに活躍されている。戦争の話はそこまで出ていない。

・北海道では職もなく(北海道新聞の連載)自衛隊が就職先になる現実。

・社会に貢献したいという気持ちが自衛隊に。人や国に尽くしたいというような。

・東京にいると軍事化って感じない。地方の状況との格差。アメリカの現状が日本でも近づきつつあるんじゃないか。

・非常にいい本。ただ、アメリカは別に真空地帯ではない、抵抗運動はあるんだ。それは当然のことかなと。戦後の小説で野間宏が真空地帯という小説を書いていて、軍隊は真空地帯だと。軍隊の中では反戦運動はできないと。母親が反戦運動してる、被害に遭って運動に結びつくという。被害にあって気づくという物語はわかりやすくいけれど、殺されて初めて気づくんじゃなくて…。弱いものがさらに弱いものを叩きに行ってという。地上戦はリアルだけど、空軍はどうなのか。先進国に生きている自分たち、自分たちがひどいことをやっているという自覚も必要かなと。

・弱者革命、というタイトルは、弱者が立ち上がって、まだアメリカには希望があると書いている。

・まだ地上軍を出していない日本だしね。

・加害者意識というのも古い言葉だけど。日本人の戦争観って。日本の反戦運動ってのは、あの戦争の体験がもとになって、その被害者意識から生まれた反戦運動だと言っている。当事者が年老いていって、反戦運動もしぼんでいっている。被害者意識だけだとそうなるだろうと思う。加害者意識 もっと前提となる議論が必要かなと思った。

・『貧困大国アメリカ』岩波から新書出すらしい

・面白かったです。アメリカのひどさもわかった。どちらかというとわかりやすすぎる。日本のひとたちの実感として、自分の問題としてつながるかな?という疑問。

憲法カフェだから、どうやったら、リアリティをもてるのかなぁと。こんな大変なことがあります、企業が悪いとか、簡単なストーリーにさせちゃうんじゃなくて。

・さっきの加害者意識の話とは逆になるけど、生活実感にとなると、2000人くらい死なないと実感しないと。加害者とか責任意識とか。自衛官は死にに行くからね、自衛官に対してどんな想像力を持てるのか。米軍と日本の兵士のふつうの生活を結びつけるのに面白いのが、林ひろしさん、日米の軍事的融合が起きているという問題がある、その中で兵士がどうなっているのかは面白い。そこで弱者がどうなっているのかが面白い。米軍は人間の心理を分析してきちんとしている。普通は人間を撃ちたくないというのが染みついているんだって。何のためらいもなく条件反射で撃てるようにするにはどうすればいいのか。そこにいるのが人間じゃなくてものだと認識させる方法。訓練方式も学んでいくということになるだろう、自衛官が。改憲後の日本で徴兵制が必要だと政府は思っていない、アメリカ型のリクルートをするようになるだろう。

・人型の人形に向かって撃てるような訓練。

・当日資料、補足するようなものを配布しよう。今の話でもいいし。堤さんの経験、9.11以後のアメリカに失望。これまでもアメリカの姿を見てこなかったのは私だと。複雑な思いを持っている。一方、雨宮さんの経験、組み合わせというのは異質だと思う。その異質さを生かせる形でいきたいなと思う。補足資料でふたりからこぼれ落ちるものをフォローするという方向性。

・今回、女性ふたりが出るというイベント。男性のみのイベントは普段多いし。その良さを最大限に生かしてイベントをつくるには工夫が必要。

・堤さんの本、出てすぐ読んでいる。こういうやり方で日本もやるのかな、とすごくリアリティを持って読んだ。日本の場合、アメリカほどえげつなくやらないだろうけど、民間に就職した人を予備役として使うのかなと。学校の話で書いてあったから余計に。

・自分の生きづらさと、アメリカの若者の生きづらさと、つながらないだろうなと思う。どうやったらつながるかということに関心を持った。堤さんと雨宮さんが対談することによって出たらいいなと思うけど。

・生きづらさと市民運動とつながりある?

・こんな大きなテーマについて女性2人が話すことに良さがあると思います。日本では9.11のころ格差問題は現れていなかった。有事法制のころも、自分のこととして捉えられてなかった。昔から貧しい人が戦争に行くというのは昔からよくあること。リクルートする側もかっこよく見せる方法を使う、とても現代的(日本の場合は「萌え」とか)。日本、高校の中にも自衛隊リクルートきている。

・うちにもきている

・興味あると○したら自宅まで来たという九州の友人がいる。

・民間企業で研修、という報道。ふたりに話してもらう前に、そのような現実をまず見てもらうというのもひとつあるかと。自衛隊に新人研修、という話は、堤さんの話と雨宮さんの話とリンクするんじゃないかと思う。雨宮さんの言っている格差の部分、派遣先が自衛隊にいくことになったとか。聞いている側のリアリティによせるために。実際にアメリカにあるんだと。聞いてみたい話なんだけど、9.11の前からアメリカにいたわけじゃない、ナショナリズムの波がきたわけじゃない、みんなが流れていったという事実があった。一方で赤木さんの話、自分の生に意味があるという理屈がつながる。ここに書いてある中身は読んだら分かるから、そこに動員されていった勢いって何なのか、その勢いの中に、日本の抱えている格差問題とつながるんじゃないかと。

・承認問題、ひとつの要素としてあるんじゃないかと。そしたらつなげていけるんじゃないかと。男の問題であるということを、提示できるのであれば、いいんだと思う。男の問題ですよという話と、それと同時に、男の問題に止まるんじゃなくてその先が欲しいと。

・ミニタリーフェミニズム。女も軍人になれるのかという話題。

・軍隊内で男女は同一に扱えという。

・男並みになること、フェミニズムが目指すことじゃないじゃん。

・女性自衛官裁判。軍隊内の男女共同参画佐藤文香さんが研究している。彼女に何か書いてもらうということでフォローするのもあり。そういう視点をふまえた上でやる必要はあると思う。

・9条2項の話も入れないといけない。2項さえあれば、ここまではいかないんだという話が必要。

・あと、集団的自衛権の話。

・どこに落としどころがあるのか。どこまで話す?

ベトナムから何を学んだのか、と堤さんの本の中で発言している男性。2項も手あかにまみれているし。憲法カフェとして打ち出すべきじゃないか。

・現状はこうだから、これはなさそうです、っていう話は現状認識だから最初に振れるだろう。解釈改憲の話をして、じゃあどうなるかという話になる。問題定義してみんなに振っちゃってもいいかもしれない。聞いた人の中に、じゃあそうなってもいいじゃないかと思う人がいてもいいと思う。

・参加者が終わった後、そのあとも考え続けるようにできるかどうか。

・暑苦しくなると思う。でも暑苦しいのは好き

・ピンポイントのテーマだと食いついてくる。入り口を広ければ、一旦入ってしまえば重くても大丈夫

・どれだけ主体的なスタンスになれるかが、キー。こないだのPDTの「デモ」ボードのように。反戦の抵抗のフェスタが23日という説がある。

・参加者とシェアできるような工夫をしよう。

・生きづらさから格差へ移行した雨宮さん。そこから憲法にいきたいわけじゃん。憲法にリアリティなんてないわけですよ。世の中にはカラオケ、セックス、消費しかない。

・日常にひそむ、みたいな。

・なんで大学でやるんだって話。めちゃくちゃ公共的な話、早稲田でやることに忸怩たる思いもあるわけ。消費しかない渋谷の街でやるデモ。開かれた大学っていってるけど、開いてるのは企業なわけ。

・やりづらいところでやるのも面白い。

・それをうまくやってるのは素人の乱。自覚的にやってる人、松本さん。ただ、それだけだと広がりきらない部分もあって。言葉って大事、どんなひとにも伝わる言葉ってあると思うし、それが公共性だと思う。

・愛情が持ち出されるところが、いやだ。

・右翼は理屈がいらない、楽で簡単。世の中にある偏見に頼ればいい。

・日本が戦争に巻き込まれたらどうなるかという話の次に、

・大きなシステムの話からはこぼれ落ちるものがあって。その中にいる個人の属性。

・最初から閉じておくのはまずいし、オープンにしていく必要、こぼれ落ちたものが後から拾えるようにしておくことが重要だと。

・今の日本は8割が田舎、1.5割が郊外、0.5割が都会だと。田舎のことキーに入れた方がいい、東京で地方を語ることは難しい。雨宮さん北海道だし。

・メディアにのらないから。地方からじわじわくるんだということ。

・リアリティがないから、それが戦争なのかな。

・隣町戦争

・沖縄と本土の温度差はひどい。

・承認、地方、世界、が今回必要なテーマかと。

グローバル化とともに育っている格差。変な自己完結に巻き込まれちゃう。

・地方でニートってつらい。

・格差論

アメリカの場合、軍事にかけるお金を福祉に使えという議論。あと宗教の問題も強い。

アメリカのライセンス使って日本の武器作っている。軍事費のことになると思考停止になる。

・貧しさから抜け出すために人を殺し合う社会でいいのかという。


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2.今回のコンセプトは何?

・格差×戦争
・格差論のネクストステージ 生きづらさ→格差→憲法
憲法につながるまでの物語
・「生きさせろ」の単純化 格差論のつまらなさ
・女はどこに?
・承認の問題
憲法のリアリティが届かない?
・高円寺あたりで広報するなら、堅めのキャッチでモノクロチラシでもいいと思う。渋谷とか表参道とかでもチラシまく?
・地球のデザインのあるチラシ、大学生には受けいいかも
・承認の問題、条件付きでなければ生きていけない社会
・無関心であることが加害性 反対しないことは賛成と等しい
・やっぱり「憲法」という言葉を入れたい
改憲をとめよう!みたいなのは、駄目かなと、そういう気持ちは込めつつ。
・格差×戦争、はいいと思う。日本とアメリカの対比は一個入れてもいいかなと。生きづらい日本、生きていけないアメリカ、殺されるイラク
・一人あたり1000万円、
改憲潮流の中で、とか。潮流、流れ。改憲の流れの中で
憲法をどうとらえるかというのも大事
・若者がやってることがインパクトあるから、タイトルがすべてではないと思う。

→そして、「格差×憲法 若者のリアルと憲法」に決定!

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この話し合いを受けて・・・

11月24日をどうするか。やり方で言えば、会場を参加型のつくりにしよう、女性二人でやることの意味性を引き出すには、結論を押しつけないようにしよう、といった課題がありました。
そして、テーマを話し合う中で共通していったのは、「今は『格差』『貧困』が一種のブームになっているけれど、そこにはまだ足りないものが2つあるのでは?」ということでした。個人の「生きづらさ」から憲法や戦争まで、それぞれ別のことに関心を持っていた人がつながっているので、そうした所に目が行きやすいのかも。

1つは、ひとの「内」へ向かう方向。雇用状況が改善されるのは確かにすごく大事だけど、今あふれている名付けようのない不安や「生きづらさ」の理由はそれだけではないだろう。
もっと根本的な所から、自意識もコミュニケーションのあり方も、ゆらいでいる。
それは早急な闘争だけでなく、時間をかけてゆっくり話し合われていく性質のもの。それを私たちの世代自身が考えていくこと。

もう一つは、「外」へ向かっていく方向。つまり格差や働くことの問題は、「グローバリゼーション」や「戦争」といった世界の大きな出来事ともつながるということ。
格差も貧困も世界中で起きていることで、けして日本一国だけで解決はできない大きなシステムの話。
また、堤さんが本で書いているように、アメリカでは職のない高校生や移民・黒人、つまり貧しい若者たちが社会的な権利を得られるからと軍隊へ入っていき、イラクを初めとした危険地帯の戦争へ行くようになっている。
9.11以降、アフガン・イラク戦争と、格差社会化の強化とが、セットになって進んできたからだ(マイケル・ムーアの『シッコ』を観れば分かるように)。

そして、一見逆の方向を向いている「内」と「外」は、「承認」(自分が認められること)という問題を通してつながっていく。
アメリカでは、高校卒業したらマックやケンタのバイトを一生やるかストリートギャングになるしかない若者に、軍のリクルーターは「キミも何かのために輝きたいだろう?」とささやきかけて入隊させる(リクルーターも激務に追われる被害者でもある)。彼は暗い人生に光が差し、他者や世の中へ認められるために軍隊へ入っていくからだ。

そして行き着いたイラクで、より弱い者たち=イラク人を虐殺していく。イラクという「殺される側」の視点ももちろん本当に大事。ここでは、「加害/被害」はひとつのシステムの裏表になっている。

そこで、日本だ。

このまま行けば、自衛隊もこうした道をたどっていくだろう。すでに高校にはかなり自衛隊就職をすすめるポスターや進路指導が入っているというし、それは北海道のような職のない地方ほど深刻だ。
また、今の東京と地方の文化的な格差もすさまじい。もし「社会とのつながり」を実感しにくい環境に生きている若者が、自衛隊が「何かのために輝ける場所」と見えたなら、「職」と「承認」
の両方を求めて入隊していくのではないだろうか。
そして「憲法」が「改正」された時、あるいはこのまま「集団的自衛権」が拡大されたとき、そのとき自衛隊はどこへ行き、何をすることが求められるだろう? そう、アメリカ軍の行く場所へ。


「生きづらい日本、生きられないアメリカ、殺されるイラク」。

わたし・たちは、「格差」ブームをこうした「内」と「外」の多様な問題へ広げていきたい、広げなきゃいけない、そして未来を切り開いていきたい、そう思っています。

あなたの参加をお待ちしています。