7月28日、「出張憲法カフェ」のvol.2

kenpou-cafe2007-08-03

http://d.hatena.ne.jp/kenpou-cafe/20070728/1183523787を開催しました。
山根先生は前回より資料をパワーアップさせ、自衛隊と9条をめぐる年表や自民・民主両方の改憲案、集団的自衛権の問題を加えてきました。

参加者は24人で、半分以上の方は初参加、学生・フリーターもいれば社会人や大学教授もいます。こういうときは色んな工夫が必要になると思い、開始1時間前に集まりスタッフでミーティング。
まず山根先生の前に、中学・高校教師である参加者bunzoさんが「立憲主義とは何か?」を説明することに。

憲法問題とは「国家権力」のこと。とするなら、そもそも「権力」って何?「社会」って何?というすごく基本的な所から出発するのが大事で、それは中学高校の教科書でも「ただそこにあるもの」としか教えられていない、と言います。そもそも自民党が「新憲法案」をつくることの問題性も、「憲法は国民が国家を縛るもの=立憲主義」を知る事からしか始まらない。憲法を守るのが政治家の仕事で、彼らが改憲主張をリードすること自体が憲法違反? 「攻めて来られたらどうする?」ではなく、そうならないよう努力するのが政治家の仕事では? 今はそうした議論の前提じたいが崩れてしまってるのでしょう。


司会二人に議事録役がスタンバイ、新憲法案に入ります。だけど膨大な量を山根先生が読み上げるとそれだけで終わりかねないのが前回の反省でした。出張憲法カフェではイスとテーブルを円に並び替えてからみんなの自己紹介で始めますが、そこで自分が憲法問題のどこに関心を持っているか、逆にどこが分からないか? を出してもらうことに。それを山根さんのお話に反映させ、後半のフリートークでもそこをメインに話し合います。
また色んな人が対等に学びあうには「誰かしか知らない固有名詞や難しい用語はなるべく使わない、使うなら解説しよう」と確認しあいました。

山根さんによる新憲法案の解説がスタート。前回話しきれなかった「平和主義」をメインに、憲法9条の第二項が削除される問題を話し、そこから戦争状態では基本的人権が制約されることへと話が進みます。新憲法案の「帰属する国や社会を気概と責任を持って守る」は人がどんな考えを持つかを国家が押し付けること、「自由かつ公正で活力ある社会」は、企業の国際競争を目指し、労働者への福祉は活力を削いでしまうと捉えるもの。

その後はフリートークへ。今回は特に幅広い話し合いになりました。経済界が新憲法案に賛成する理由について、90年代以降のグローバル化が社会全体を変えている事の影響。
そして一人一人の周囲の憲法問題への関心や、それをどう高めていけるかを話し合いました。そして最後にこの日の感想を順番に出し合い、これからどうしていくかのフリートークは何と夜9時まで熱く続きました。

次回は8月25日(土)14時〜予定で、テーマをシリーズ化したり映画や音楽を加えるなど色んな事を企画しています。みなさんのご参加をお待ちしています!