イベントをやるに当たって・その2★

いよいよ今週末。雨宮さん・堤さんに私たちが渡した企画趣旨をアップします。では、会場で会いましょう!

本イベントの趣旨(byジュディー、当日司会):

私たち憲法カフェプロジェクトチームは、改憲が現実化しているなかでも私たち、若者が憲法について思考できないことに日本社会の大きな問題を見ています。
憲法について私たちが思考できないこと、つまり政治的な意志決定に若者が排除されていることは、昨今議論される、「若者の社会的排除」のもっとも根本的な例だと言えるでしょう。
私たちは、構造的にも、文化的にも、日々の実践においても、個人のアイデンティティのレベルにおいても政治を創造することから排除されています(また、自らそれを望んでいる、とも言えるかもしれません)。
私たちには、消費社会における差異化ゲームに戯れる自由は許されていても、政治的に自由であることは許されていません(格差社会にかんするイベントを無料で開催できる場所が大学にしかないこと、しかも、使用方法に関して大きな制限が設けられることがその証左です)。

しかし、堤さんのアメリカでの丹念な取材をみてみれば、改憲がダイレクトに私たちの生活にインパクトを与えることは容易に理解できます。
同時に、雨宮さんが取り組まれている貧困問題を見て取れば、すでに憲法が現実に生きているとは言えない状況にあることがわかります。

そこで、本イベントでは、アメリカでは現実化し、日本でも前景化しつつある格差と戦争が結びつく現象についてゲストからお話し頂くことを通して、参加者を含めて、私たち若者が社会や政治、ひいては憲法を自分の問題として捉えるきっかけをつくりたいと考えています。

対談趣旨:

以上のような考えから、私たちは本イベントを「教える講師―教えられる参加者」という一方方向ではなく、ゲスト、主催者、参加者がこの問題について考えをシェアできるようなものにしたいと考えています。
なぜなら、「教えるー教えられる」という一方方向的な関係が、まさしく若者が主体的に政治や憲法について思考することを阻んでいると考えられるからです。
そこで、対談の司会は、参加者とより近い立場にいる私ども主催者にまかせていただければと考えております。
対談は、なるべく抽象的、一般的なお話ではなくお二人の経験をふまえた個別具体的なお話をお願いできるとありがたいです。そちらの方が、参加者も自分の問題として捉えやすいと考えております。

・堤さん、雨宮さんが現在の活動をなさるようになった経緯
→堤さんはアメリカにこだわり続ける理由。
→雨宮さんは、生きづらさ、右翼からプレカリアート運動へと至った経緯。

・日本における格差と戦争の関係
・格差問題と憲法の関係(特に前文と 25条)
・戦争と憲法の関係(特に前文と 9条)
・なぜ人々は新自由主義改憲に同意するのか
・なぜ私たちは憲法にリアリティを感じれないのか

落としどころ案:
憲法は、ただ字面を追って一言一句を『護る』ようなものではなく、私たちが直面している疑問をきちんと捉え、新しい可能性を希求する中で改めて『発見』することで、はじめて中身が与えられていくもの」 (10月憲法カフェゲスト 木下ちがやさん)