憲法カフェVol. 20×Our Planet TV 1COINサロン

 今回の憲法カフェはOur Planet TV 1COINサロンとのコラボ企画!!ゲストに映像ディレクターのあつこばさんこと小林アツシさんを迎えました。

あつこばさんブログ
http://atsukoba.seesaa.net/

あつこばさんyoutubeチャンネル
http://www.youtube.com/ATSUKOBAz?gl=JP&hl=ja

 警察による弾圧の映像がyoutubeで配信されるなど話題になった昨年10月26日の麻生邸リアリティツアーの話を糸口に、表現の自由オルタナティブメディアの可能性について、Our Planet TV(http://www.ourplanet-tv.org/)のスタジオでみんなで話しました。

 まずはアワプラの木村さんが司会でスタート。憲法カフェからもこれまでの経緯を説明して、参加者の自己紹介。今回は20人くらいの方が参加されていました。ゲストのあつこばさんからは、まず最近話題のソマリア沿岸への自衛隊派兵についてのお話がありました。
 なんと憲法カフェ開催日は自衛隊派兵の前日。なぜか日本からはるか遠いソマリアでの海賊対策のために、自衛隊法上の海上警備行動という名目で行われるという今回の自衛隊派兵ですが、その背景にはいったい何があるのかについてお話がありました。もともと漁民だった人たちが海賊になってしまっている背景には、日本を含む先進国側の乱獲の問題があるということについてのお話がありました。

 あつこばさんによれば、ソマリアは91年以来内戦状態でまともな政府が機能しておらず、ソマリア沿岸のアデン湾は乱獲と不法投棄が野放しの状態になってしまっていて、それに対抗するために漁民たちが武装しなければならなくなってしまったということです。そこで獲られたマグロやエビが僕らの食卓に並びます。

 さらに、ソマリアを割拠している勢力には軍閥イスラム勢力がいて、イスラム勢力を抑えたいアメリカによって軍閥が支援され、それが海賊と化していると言うことがあるというお話がありました。イギリスの民間軍事会社「ハートセキュリティ」(http://www.hartsecurity.com/)が現地勢力に訓練を施しているという話もありました。

 アメリカが自分にとって都合の悪い存在に対抗させるために敵対している勢力を支援すると言うのはアフガニスタンと全く同じ構図ですね。

 次に、麻生邸リアリティツアーについて話しました。

 まずはリアリティツアー当日に撮影もされていたあつこばさんに用意していただき、youtubeで合計30万回も再生されたという当日の映像をみんなで見ました。

10/26 麻生邸宅見学に向かおうとしたら逮捕
http://www.youtube.com/watch?v=3Uw701vV15U&feature=related

10/26 渋谷、逮捕前に打ち合わせするデカ
http://www.youtube.com/watch?v=Rc0Z0Yvde8E&feature=channel

渋谷署警察官との事前打ち合わせ@ハチ公前
http://www.youtube.com/watch?v=VukCiIa0BDc&feature=channel

 この事件については、最初にテレビニュースで流された映像と後にyoutubeで流された実行委員会による映像があまりにも違うと言うことが話題になりましたが、あつこばさんは、警察の覚えめでたい記者に対して事前に情報が与えられていたのではないかと指摘。警察とメディアの癒着の問題の背景には記者クラブ制度があるといい、あつこばさんの作成したこの事件についてのマスメディア報道の詳細な資料を見ながら、各社報道を比較検討し、マスメディアの問題点などについて話しました。

 次に、この事件で逮捕されたご本人であるAさん(仮名:不起訴)にお話をしてもらいました。この事件では即座に不当逮捕された人のための救援会が立ち上がり、あまりの不当性に全国から応援の声が寄せられました。

麻生でてこい!!リアリティツアー救援会ブログ
http://asoudetekoiq.blog8.fc2.com/

 計11泊12日もの長きに渡り代用監獄に拘留されていたAさん(仮名)は、接見に訪れた弁護士さんに外の仲間からの応援メッセージを見せてもらったり、ブログなどの反応を印刷して見せてもらったりして、外で動いている人たちの存在が「自分は一人ではない」と心の支えになったということでした。

 このケースでは、救援会がインターネットに映像をアップし、それが多くの人に見られることによってマスメディアにも取り上げられさらに話題になり、当初のマスメディアによる警察発表の垂れ流しを跳ね返すという動きにつながっていったという良い循環が働いたと言えるかもしれません。

 最後にフリートーク

 なぜこの映像がこれほど見られたのかという質問に対し、あつこばさんによると良い映像が取れたのは、機材とテクニックと運だということです。ちょうどyoutubeがグレードアップされてブログに映像が貼り付けられるようになったということもあり、いくつかの偶然の要素が重なってこのような形になったということのようです。

 今では誰でももっているケータイにカメラがついているし、ブログやmixiに画像や動画をアップしてもいいし、スティッカムhttp://www.stickam.jp/)など誰でも簡単に映像を配信できるサイトもできているので、オルタナティブメディアに興味のある人は何でもいいのでとりあえず始めてみてもいいかも知れませんね。

 メディアについての話題は尽きることなく、また今後も話し合っていきたいテーマだと思いました。

※資料映像(笑)
転び公妨
http://www.youtube.com/watch?v=6C-vFbO7rIg&feature=related