8月25日、「出張憲法カフェ」vol.3レポート

8月25日「出張憲法カフェ」http://d.hatena.ne.jp/kenpou-cafe/20070825を開催しました。

参加者は13人で、初参加の方は5人!ありがとうございました。

この日は講師の先生がお休みということもあり、テーマを「憲法を読む」と題し、自民党の新憲法草案と現行の日本国憲法を読み比べながら、疑問点を一つひとつ話し合いました。


まずは憲法の前文。

国民投票法が想定しているのは個々の条文を対象としているのに、自民党は新憲法草案として、新たに憲法を制定することを宣言している。また、現行憲法前文には、「これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。」としているが、この辺の矛盾はどう処理されるのだろう。

また、現行憲法で謳われている「平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」=平和的生存権の思想が自民党の新憲法草案前文には書かれていない。


ついで第2章戦争の放棄の部分。

ここでは、9条2項が、戦争への制約になっている。それがイラクへの自衛隊派兵における「非戦闘地域」を作り出した。これを削除することは大問題なのではとの意見。


第3章のキーワードは
「公共の福祉」が「公益および公の秩序」に変えられているということ。

公共の福祉は人権相互の矛盾衝突を調整するために認められる衡平の原理であるが、公益や公の秩序というと、政府や多数者の意見を尊重し、少数者の意見が封じ込められてしまうのではないか。

憲法20条では、目的効果基準という判例が取り入れられているが、これは結局、靖国参拝を合憲としたいのでは。


このあとは、その他の条文を見渡して、疑問点を探しながら、その他今日の感想などのディスカッション。

講義という形式ではなかったので、参加者の活発な発言が相次ぎ、この形はこの形で、実りのあるものとなったのではないだろうか。