憲法カフェvol.15 「日本国憲法と自民党の憲法草案を読む」

 8月の憲法カフェは、渋谷・宮下公園で、日本国憲法自民党の新憲法草案を読み合う企画を開催します。安倍政権の退陣以降めっきりさえなく見える改憲勢力ですが、福田首相憲法審査会の始動や自衛隊海外派遣恒久法の成立を目指して民主党への協力を呼びかけるなど、明文改憲解釈改憲への地味な流れは続いています。もうすぐ始まる秋の臨時国会では新テロ対策特別措置法が延長されると言われています。

 というわけで、みんなで憲法について改めて考えてみませんか?会場の宮下公園は夏まつりの真っ最中で、屋台やワークショップ・ブースも多数出店しています。ぜひお祭りと一緒に憲法カフェを楽しみにきてください!

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憲法カフェvol.14「(意外と)奥深いぞ、子ども向け「戦争・平和」映像コンテンツ」

 7月26日(土)、高円寺のエンジョイ北中ホール(仮)素人の乱12号店で、憲法カフェを開催しました。気温30℃の真夏の昼に、扇風機を回しながら戦争について考えるという、Mにはたまらないイベントになりました。…というのはどうでもよくて。NHKの子ども向け番組を観て、20名の参加者で語り合いました。以下に報告します。

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憲法カフェvol.14「(意外と)奥深いぞ、子ども向け「戦争・平和」映像コンテンツ」

7月の憲法カフェのお知らせです。

NHKが06年8月に放映した「正しい戦争ってあるの?」という番組の録画をみんなで観て、意見交換をしたいと思います。その構成や文脈に違和感や批判を感じる人もいるかもしれませんし、被害者の証言に打ちのめされる人もいるかもしれません。とにかく、大人が観ても深いインパクトを残す、「問い」を投げかけてくる、そういう番組です。
※番組中では、張本勲さん(元プロ野球選手)、ちばてつやさん(漫画家)などが、子ども時代の戦争体験を証言します。特に張本さんは、戦後ずっと語らなかった体験について証言します。

当日の構成はこんな感じを考えています。
・録画DVD「正しい戦争ってあるの?」(NHK総合、06年8月放映)を観る(1時間)
・フリーの感想・意見交換(1時間)
・テーマディスカッション(1時間)

※テーマディスカッションのテーマは、一応主催側で準備しますが、当日の成り行きで変更あるかも?
※映像コンテンツは、イラク、東京(大空襲)、広島(原爆)、911、自殺したイラク帰還兵、満州…と20世紀・21世紀の戦争が横断的に取り上げられていきます。でも子供向けだから予備知識なしでOKな内容です。

2008年7月26日(土)14時〜17時
参加費:ドリンク代(300円〜)+会場代200円
素人の乱12号店)エンジョイ北中ホール(高円寺北口から徒歩10分) 地図→http://keita.trio4.nobody.jp/shop/12/map.html

終了後、ゆるゆると交流会をするかも、です

憲法カフェvol.13「何が変わった?変わらない?憲法情勢と憲法の使い方」

6月21日(土)に、いつもの高円寺(インディアンサマー)で行われた憲法カフェ。参加者は15人でした。


今回は2部構成。1部のテーマは【「憲法」を巡る状況・「政治」との距離】2部は【なぜ憲法にこだわるのか(こだわるべきなのか)について】。いずれも、レジュメ準備と口火キリは憲法カフェメンバーでした。
かなり濃密な時間となりました〜。

【「憲法」を巡る状況】
憲法カフェを始めたのはちょうど1年前くらいです。また、国民投票法が可決・成立してから1年ちょっと(施行は4年後の2011年)。これを記念して、というと語弊があるかもしれませんが、この1年の変化をおさらいしました。
まず、示されたグラフで、「憲法を改正する」「憲法を改正しない」がこの6年の間に変動したこと(「改正する」56.9%→42.5% 「改正しない」29.3%→43.1%)、「草の根9条の会」の結成数の増加などを確認しました。
2007年5月 「日本国憲法の改正手続きに関する法律」成立
2007年9月 安倍内閣退陣、福田内閣誕生
国民投票法の成立によってメディアの「憲法」の扱いが一時期多くなった?)
2008年5月 「9条世界会議」成功に(?)終わる。
(草の根市民運動(特に9条の会)の成果? 急進的改憲勢力の台頭に対する危機感?)
その他、25条(生存権)への注目やマス・メディアでの露出UP。


【「政治」との距離】
この1年、年金問題や「後期」高齢者医療制度、ワーキングプア、食の安全問題、原油高騰など、私たちの生活に直結する政治問題が噴出してきました。政治が「身近」なものとして認識されつつあるのではないか?という点と、いわゆる「活動家」ではない人々の行動(高齢者のデモや「麻生コール」、「フリーチベット」など)が隆盛しつつあるのではないか、という点をスターターが指摘し、「政治の季節」が来つつあるのでは?と、参加者に投げかけました。


スターターの発言のあと、フリーディスカッション。
・「盛り上がってきてる」というのは分かるけど、自分の周りではそんなに感じない。
・生活に直結した政治課題について、みんなの関心が高まっていると思う。
・政治的であることへの拒否感は相変わらずでは。若い世代の成功体験の欠如とはよく言われるけど…。
・消費による自己実現が浸透していて、政治性が持てない状況がある。
・90年代の薬害エイズ訴訟は社会的認知のあった運動だった。それ以後、「スルー」と「シンパシー」でいえば、「シンパシー」の領域が増えたように思う。
憲法問題については、その「シンパシー」の領域に入るか入らないかのボーダーラインにあるように思う。
イデオロギー抜きで思考、共感できる問題は「シンパシー」できやすい。
薬害エイズ問題は分かりやすい「敵」がいた。
・「政治の季節」は来てないと思う(笑)。
・働いていた職場では、ヤフーニュースの「あの人死んだんだって」「あの人結婚したんだって」という話題だけだった。
・「スルー」と「シンパシー」のラインが動きつつある、という程度のことなのかも。
そのほか、さまざまな意見が出されました。この時間で話しきれなかったことは、第2部へ…。

【なぜ憲法にこだわるのか(こだわるべきなのか)について】
とかくこの世は生きづらい。でも「憲法」だけでは幸せにも自由にも、なれるわけではない。だけど…。

1.憲法が改変されると「さらに」生きづらくなりそう。
2.現行の憲法が歯止めになっている。「国会への命令」としての憲法が存在することのありがたさ。
3.すでに進行している「生きづらさ」と「憲法を改変しようという動き」は共通の背景があるのでは。
4.というわけで…


ざくっとしたスターターの話のあと(笑)、またまた自由にフリーディスカッション。

・「生きづらい」ということと「憲法」がつながった。1年前には自分になかった言葉だった。
憲法が改変されたら、もっと生きづらくなるのは明らかだろう。
憲法はそもそも、国家を暴走させないようにする足かせ、歯止め。それをゆるめたい人たちが改変したがっている。
・岩波の「世界」7月号に掲載されている渡辺治さんの文章、ぜひ読んでみては。
・ロマンとしての護憲、9条はありと思うが、それ以上はリアリティがない。
・武力を持たない(9条)ということと、労働問題は別物。つなげる必要はないのでは?
・「9(条)+25(条)」があってもいいのかなと。目的は改憲の歯止めとすること?憲法を使うこと?生きづらさを解消すること?
・「幸せにする」とは、憲法に書いてない。「不幸せにするな」とは書いているが。
・さまざまな要求を、憲法を根拠にしてやっていけばいいと思う。でもそういうときに、9条は使い物にならない。
・25条を達成するために、いくつかの柱があって、その一つに9条がある。死なない、殺されない要求として。
・経済の営みとして戦争がある。軍需産業の発達や利権。だから25+9?
・わたしたちにとっての理想の「改憲案」を作れば?
・「護憲」というと、既得権を守りたい、っていうメッセージに受け取れてしまう。
憲法は権利書だと思う。
・堂々と、恥ずかしがることなく、(色んな)要求の根拠は憲法だ、って言えるようになりたい。
・いわゆる「人権メタボ」というか「働かざる者食うべからず」みたいな言説をどう乗り越える?
・9条と25条は、生存権保障という点でつながりがある。9条は他国の人々の生存、25条は自国での生存。





などなど…。本当は21時半までだったのですが、22時まで延長して、おなかいっぱいになりました。
みんなで、この1年の動きや実感を概観することで、整理されるとともに新たな課題も見つかって、とても濃密な憲法カフェになりました。(竹)

憲法カフェvol.13「何が変わった?変わらない?憲法情勢と憲法の使い方」

 6月の憲法カフェのお知らせです。場所はいつもと同じ高円寺。時間はいつもと少し違う第3土曜日の夕方に開催します。どなたでもお気軽にご参加ください!
 
 今回のテーマはこちら:

 (1) 国民投票法成立から1年。「私の内閣で憲法改正を目指したい」と張り切っていた安倍元首相が退陣し、各紙の世論調査でも改憲反対が賛成を上回ったように、改憲をめぐる情勢はかなり変わってきています。一方で、沖縄では相変わらず米軍再編が進められているし、国会では新テロ特措法も成立しました。憲法をめぐって、この1年で何が変わり、何が変わらなかったのか?みんなで考えてみたいと思います。

 (2) もうひとつのテーマは、なぜ憲法にこだわるのか(こだわるべきなのか)ということについて。人は憲法だけで生きづらさが解消されるわけでも自由になれるわけでもないのに、それでも憲法を考えることにはどんな意味があるのでしょうか?私たちは、憲法をどのように、何のために、使っていくことができるのでしょうか?

 今回の憲法カフェでは、この2つのテーマについて、問題提起とフリーディスカッションを行います。

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「9条世界会議に行ってきました!」

5月の憲法カフェは「9条世界会議に行ってきました!」というテーマで行いました。
初参加の方、7ヶ月のベイビーなど21人の参加です。

前半は5/4,5,6に行われた9条世界会議参加者の報告からスタートです。
4日の全体会、5日の分科会、分科会の中の企画「イラクアメリカ日本」の報告がありました。
また「イラクアメリカ日本」で講演したイラク人で人道支援ワーカーのカーシムさん、アメリカ軍イラク帰還兵エイダンさん、2人の対談映像や、彼らの撮ったイラク写真を見ました。

普通の人が、戦争の中で、残酷な行動を起こすこと
貧困と戦争の関係
ブートキャンプという海軍の演習は、いかに新兵が「プロダクト」になるのかが重視される
アブグレイブ刑務所、イラクの殺伐とした市内の写真
等々

後半はそれを受けてのディスカッション。
色々な方向に話は進んでいきました。

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憲法カフェvol.12「9条世界会議に行ってきました!」


毎月恒例の憲法カフェ。今月は久しぶりに高円寺で開催します。

また9条ネタなのですが・・・

5月4日・5日・6日と三日間にわたって幕張メッセで開催された「9条世界会議」。3日間で、2万人が参加したというこの一大イベントに、憲法カフェの有志が参加しました。

そして


イラク人・人道支援ワーカーのカーシム・トゥルキさん
アメリカ軍イラク帰還兵のエイダン・デルガドさん
格差×戦争でお世話になった雨宮処凜さん
イラク支援ボランティアの高遠菜穂子さん


の4人の方に登壇していただき、ディスカッション「イラクアメリカ、日本」という企画を開催しました。

詳しくは、当日お話いたしますが、

アブグレイブ刑務所では、そんな扱いを受けていたのか。とか
アメリカ軍がイラクでどんなことをしていたのか。とか
実際にイラクに行ったアメリカ軍の兵士は・・・みたいな話をできるかと思います。

というわけで、この企画を中心に、9条世界会議の報告とその後のフリーディスカッションを出来たらと考えています。

9条世界会議に参加された方も、参加されなかった方も、どなたでもご参加いただけます。



●日時:5月24日(土) 14:00-17:00
●場所:CAFE indian summer ワンオーダーお願いします
●アクセス:JR高円寺駅北口より中通り商店街に入って徒歩3分(左手にある伊勢市ビルの2F/入口に看板があります)
●地図:http://happyassist.com/is/about.html
●会場TEL:03-3336-3841
●主催:「憲法カフェプロジェクトチーム」
国民投票法案の成立を受けて発足した、2007-201×年の時限プロジェクト・チーム。会社員、フリーター、学生、教員を中心とし、毎月第四土曜日に、自民党改憲案や改憲をめぐる社会の動きをテーマに、カフェでトークイベントを開催しています。
ブログ:http://d.hatena.ne.jp/kenpou-cafe/